オンライン企業の業界団体Network Advertising Initiative(NAI)が米国時間10月4日に,「ウェブ・ビーコン(ウェブ・バグ)」使用に関するオンライン業界向けガイドライン策定への取り組みを発表した。
ウェブ・ビーコンとは,cookieを配信するために,WWWコンテンツやHTMLメールなどに埋め込んだソフトウエア・コード。非常に小さな見えにくい画像などをコンテンツへ埋め込むことにより,アクセスしたユーザーの情報(利用パターンなど)を遠隔地のコンピュータに送ることなどが可能となる。この仕組みを利用すると電子商取引業者などは,取得した個人情報を販売戦略に役立てられるようになる。
ウェブ・ビーコンについてNAI事務局長のTrevor Hughes氏は,「ウェブ・ビーコンを使うことで,より的を射た情報を消費者に提供したり,オンライン広告キャンペーンの効果を高めることができる。同時にオンライン業界は,ウェブ・ビーコンを扱うにあたって“透明性”が重要であることも認識している。ここには検討すべき重大な消費者のプライバシ問題がある」と説明する。
NAIはオンライン・マーケティングに向けたNAIの自主規制方針をもとに,ウェブ・ビーコン使用の標準ガイドラインを策定するという。なおNAIによれば,この自主規制方針は米連邦取引委員会(FTC)と米商務省から直接意見を聴いて策定したもの。
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