MIDI関連の標準化を進める業界団体のMIDI Manufacturers Association(MMA)が米国時間9月6日に,音楽およびオーディオ・コンテンツを無線やWWW対応アプリケーションで配信するための仕様「eXtensible Music Format(XMF)」を発表した。仕様の策定には,日本の音楽電子事業協会(AMEI)が協力した。
XMFは,すでに世界中で多くの機器に利用されているMMA/AMEI標準規格「Musical Instrument Digital Interface(MIDI)」「Standard MIDI Files(SMF)」「General MIDI(GM)」「Down-Loadable Samples(DLS)」フォーマットを拡張するものである。
MIDI Fileの仕様は音符のような音楽再生用符号を定義したもの。GMやGM2はその符号を演奏する楽器を定義する。DLS-1やDLS-2は追加の音源(記録音)を作成する手法を示す。作成した音源はDLS対応プレーヤにダウンロードすることが可能。
XMFを利用することにより,既存のフォーマットで生成した楽曲や音源をWWW対応のファイルにまとめ,幅広い再生機器で楽しめるようになる。WWW配信音楽のほか,音楽のリミックス,着信メロディ,ネットワーク・ゲームへの応用も考えられる。
MP3などの圧縮フォーマットとは異なり,XMFファイルはコンピュータ,電話機,PDA,音声ジェネレータに内蔵されていたり,ローカル・ディスク装置,WWWサーバーに格納されている音源データ(音声や合成プログラムなど)を参照する。そのためXMFファイルは小さい容量で済み,ダウンロードにかかる時間を短縮できる。
また,XMFファイルは音楽をパートやセクションに分けて記録するため,XMF形式で配信された音楽を再生しながら編集や変更することが可能。「わずか数Kバイトのデータから数時間におよぶ音楽を作成することができる」(MMA)。
XMF仕様の策定は,以下の携帯電話,楽器,アプリケーション・ソフトウエア業界の企業で構成されるMMAワーキング・グループが行った。米Beatnik,米IBM,フィンランドNokia,米Sun Microsystems,米Alesis,米Cakewalk,米Emu-Systems,米Kurzweil,米Line 6,米Live Update,ドイツSteinberg,ヤマハ。
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