米Gatewayが米国時間8月28日に,基幹事業の方向転換と事業再編計画のための追加策を明らかにした。海外市場からの撤退や工場閉鎖などで,年間で3億ドルの経費節減を見込む。

 従来からのハードウエア事業に加え,通信,アプリケーション,学習,金融,サービスの6分野に向けた事業部門を,2001年第4四半期から正式に開始する。インターネット版ウォールストリート・ジャーナルによると,今回のリストラによって全従業員の25%に当たる約5000人の人員を削減するという。

 今回の発表は,Gateway社が7月に発表した事業再編計画をおし進めるもの。同社は従来のパソコン・メーカーから個人向け技術ソリューション・プロバイダへの転身を図るとし,「U.S. Markets」グループと「Solutions」グループの新設を明らかにしていた。

 今回発表したその他の主な内容は以下の通り。

・マレーシア,シンガポール,日本,オーストラリア,ニュージーランドでの事業を直ちに閉鎖し,米国市場に注力する。なお,欧州での事業撤退について,今後1カ月以内に詳細を発表する予定。

・米国市場への注力に合わせ,販売,サービス,サポートのコール・センターを整理統合する。バージニア州ハンプトン,サウスダコタ州バーミントン,ユタ州ソルトレークシティ,カリフォルニア州レークフォーレストのコール・センターを閉鎖する。サウスダコタ州スーフォールズおよびノーススーシティ,ミズーリ州カンサスシティ,ニューメキシコ州リオランチョ,コロラド州コロラドスプリングのコール・センターは存続する。

・ソルトレークシティの製造施設を閉鎖し,ハンプトンおよびノーススーシティの製造施設の効率化を図る。

・個人向け技術ソリューションを米国内の各地域に提供する。米国市場を東部,中部,西部の3地域に分け,各地域を20に区分する。各区域に小売販売店を8~26店舗設置する。

 今回発表した計画を含む事業再編策に関して,2001年第3四半期に約4億7500万ドルの費用を計上する見込みである。また,事業再編により1年あたり約3億ドルの経費節約が期待できるとしている。

 なお,Gateway社は2001年第4四半期に黒字に回復すると予測している。

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