米Amazon.comが米国時間7月18日に,米国外への送料を改定したことを明らかにした。従来は米国外をすべて「International」とし同一料金だったが,これを10の地域に分割し,地域ごとに異なる料金を設定した。

 地域の区分は,カナダ,欧州,アジア/アジア太平洋,日本,中南米,オーストラリア,イスラエル,アフリカ,中東,島しょ部。200カ国を超える世界各地への配送に対応する。発送料金はAmazon.com社の配送センターを基点とし,各地域への距離に応じて決めた。各地域とも,従来に比べ送料を下げている。料金は最大で35%安くなるという。

 今回の改定は,Amazon.com社が発送を委託しているDeutsche Post Global Mailおよび傘下のDHL社との提携拡大によるもの。地域区分を設けたことで,発送にかかる日数も大幅に短縮されるという。スタンダード・クラスでは,従来14~84日かかっていたが,新システムでは11~21日に短縮される。また,「Expedited International Shipping」と呼ぶ準特急クラスでは,従来の7~26日から5~10日に短縮する。

 このほか,従来書籍だけに適用していたスタンダード・クラスを音楽CDやビデオ/DVD,コンピュータ・ソフトウエアにも拡大した。

 Amazon.com社は現在3200万の顧客を抱える。このうち,26%強が米国外の在住者であるという。

 なお,米メディアの報道によれば,Amazon.com社は6月下旬から米国内の送料を無料とするキャンペーンを展開してきたが,7月初めに突然これを打ち切っている。競合の書籍販売大手,米Barnes & Nobleのオンライン書店がAmazon.com社に追随して7月初めに送料無料のキャンペーンを始めたが,Amazon.com社は数日後に中止を決めた。

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