米GartnerのDataquestが米国時間7月9日に,「2000年における北米地域のストレージ・サービス・プロバイダ(SSP)市場は1億7600万ドル規模だった。2004年には60億ドルを超える規模に拡大するが,ドットコムの不振や相次ぐ倒産などから当初見込んでいた成長率は下回る」とする調査結果を発表した。

 「ドットコム企業は,インフラやノウハウがほとんどないところからスタートするところが多い。SSPはこうした新興企業からの大きな需要を見込んでいたが,当てが外れてしまった。しかし,ストレージ・サービスやユーティリティのアウトソーシングの伸びは鈍化しているものの,市場として非常に大きな潜在成長性を秘めていることは間違いない。企業ユーザーなどの需要のほか,ストレージの技術革新が市場を牽引する」(Dataquest社シニア・アナリストのAdam Couture氏)。

 また,企業が次々と市場に参入してSSP間の競争が激化し,サービスの料金が全体的に下がってきている。こうした状況から市場はコモディティ化するとDataquest社は指摘する。

 インターネット・データ・センターをはじめ,サーバーの設置場所や運用管理サービスを提供するコロケーション・センター,ホスティング・データ・センターなどでのユーティリティ市場が最も速いペースで拡大するという。ちなみに,2000年における企業のデータ・センター向けストレージ・ユーティリティ市場は3200万ドル規模。10億ドルを超えるのは2003年以降になるという。インターネット・データ・センター向けのストレージ・サービス市場は,売上高ベースで2002年に8億ドルを超える規模になるといいう。

 「インターネットのデータ・センター向けでは,通信キャリアが提供するSSPサービスが売り上げを伸ばす」(Couture氏)。

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