米International Data Corporation(IDC)は米国時間3月15日に,「世界のストレージ・サービス・プロバイダ(SSP)市場は年平均134%成長している。売上高ベースで2000年の1億5300万ドルの水準から,2005年には107億ドル規模へと大きく拡大する」との調査結果を発表した。

 同社のStorage and Data Management Services部門マネージャーDoug Chandler氏は,「SSP市場は立ち上がりの段階を経て,次の成長段階へ移行できるかどうかという重要な局面に入った。今後市場が成長していくためには,課題がいくつかある」と指摘する。

 「SSP事業者は投資家に対し,ストレージ・サービスが事業として成り立つこと,投資に見合う利益が期待できる市場であることなどをはっきりと示す必要がある。SSP事業のビジネス・モデルが今後6~12カ月の間に広い分野で多くの顧客をつかむことができるかどうか。市場の成長はここにかかっている」(Chandler氏)。

 SSP市場も他のIT関連市場と同様に,顧客の需要には波があって安定性に欠けるという面がある。投資家の戦略,ベンダーの戦略や新技術の開発といった要素に大きく影響されやすい。

 Chandler氏はSSP市場で成功するためのカギとして,「インターネット・データ・センターやWWWホスティングの運営/管理,およびストレージ・オン・デマンド事業の拡大を促すパートナシップの構築」を挙げている。

 このほかに取り組むべき課題として,「データに関する機密性の問題」を指摘する。「企業はストレージ計画や導入/構築,管理などについて,できるだけアウトソーシング・サービスに任せたいと考えている。しかしその半面,データの機密性という点から第三者の手に渡してしまうことへのためらいもある。外に出したいが,見られるのは困るという微妙な心理から,結局SSPの利用を取りやめるというケースも起こってくる」(Chandler氏)。

 こうした課題への対応策として,「SSP事業者はシステムの性能のほかに,生産性の向上,利便性,セキュリティ,コスト削減効果,導入/構築のスピードといった面での利点を明確に打ち出し,顧客に訴えていくべきである」とIDCは説明している。

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