米IDCが米国時間7月2日に,欧州と世界のIT支出に関する調査結果を発表した。欧州経済の減速が,今後数年にわたってIT製品とサービスの需要に大きな影響を与える。米国における技術向け支出の減少が欧州にも波及し,2001年~2003年の世界IT支出は,最悪の場合1500億ドル減少する。このうち500億ドルが欧州市場での減少分。

 IDCは2001年前半の予測で,欧州のIT市場が2001年に2ケタ成長するとみていた。欧州全体におけるわずかな経済成長の減速が,IT支出に大きな影響を与えるとは考えていなかった。しかし,ハードウエア分野では支出が明らかに減少している。サービス・プロバイダによるネットワーク機器への需要が減退するとともに,パソコン販売の成長率が減速している。

 「ソフトウエアとサービスは,今年も強い成長をみせるだろう。北米の場合と同様,ハードウエアの需要減が最も深刻」(IDC,Global IT Economic Outlook調査プログラムおよびEuropean IT Markets CenterマネージャのStephen Minton氏)。

 最悪の場合,欧州のIT支出は7.9%増にとどまり,この低迷が2002年もしくは2003年まで続く。もっとも危機に直面する国はドイツやイタリアである。

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