米Microsoftは米国時間6月13日,「Windows Media」のデジタル著作権管理ソフトウエア「Digital Rights Manager(DRM)」を用いた音楽やビデオのトランザクション件数が世界で750万件を突破したことを明らかにした。また,DRM技術をベースにした電子ブック配信システム「Digital Asset Server」の導入企業が世界で20社を超えたことも明らかにした。

 「1999年のDRM技術提供開始からわずか2年で750万トランザクションという規模に達した。現在DRM市場では当社の技術が最も広く利用されている。また今後についても,数年間のあいだに新しいタイプのコンテンツやビジネス・モデルにおける新規の利用などで一層の拡大が見込めるものと期待している」(Microsoft社Windows Digital Media部門担当副社長のWill Poole氏)。

 Microsoft社によれば,Windows Media Playerはこれまでに世界で3億5000万本以上が配布されているという。Windows Media DRMのライセンシ企業は現在約280社。米RealNetworksの「RealJukebox」,米America Online(AOL)の「AOL WinAmp」,米Yahoo!の「Yahoo Player」をはじめ,130社のメディア再生ソフトウエアに対応する。

 Digital Asset Serverは2000年8月に提供を開始したもの。米書籍販売最大手Barnes&Nobleのオンライン部門BaarnesandNoble.com社をはじめ,仏Vivendi Universalや紀伊國屋書店などが導入している。

 なお,Microsoft社のDRM技術に関しては,米InterTrustが「当社の保有する暗号化コンテンツの取り扱いに関する特許を侵害している」として,2000年4月にMicrosoft社を提訴している。

◎関連記事
<Windows Media DRM関連>
米MSと米インテル,「Windows Media」の携帯電話向けプロセサへの最適化で連携
「『Windows Media Technologies』で配信された映画は1800万本以上」と米MS
米マイクロソフトが「Windows Media Audio 8」と「同Video 8」の最終版
米CinemaNowがWindows Media使ったペイ・パー・ビューの映画配信を開始,3ドル

<InterTrust社訴訟関連>
米InterTrustがデジタル著作権管理と電子透かし技術で米国特許を取得
米InterTrustが米MSを特許侵害で提訴,Media Playerの配布差し止め請求

<DRM市場>
コンテンツ配信産業がブレーク,99年の4500万ドルから2005年には20億ドル規模
NokiaがInterTrustからDRM技術をライセンス,2000万ドルを出資
松下電器と米InterTrustが音楽配信技術で提携

発表資料へ