フィンランドNokia,米Motorolaなどのモバイル通信関連企業,Vodafone Groupなどの無線キャリア企業,米America Onlineや米CNNなどのコンテンツ関連企業が,製品やサービス,コンテンツのXHTML(Extensible Hyper Text Markup Language)対応を進めると発表した。Nokia社およびMotorola社が3月21日に明らかにしたもの。

 XHTML対応推進グループへの参加を表明した企業には,スウェーデンEricsson,独Siemens,米Accenture,米Adobe Systems,米Macromedia,米Sabre,米Sun Microsystems,米Orange,フィンランドRadiolinja,フィンランドSonera,フィンランドDNA Finland,ノルウェーTelenor Mobile,ノルウェーNetcom GSM,独T-Mobile,伊Telecom Italia Group,RadioMobile,チェコEurotel Prahaなどが名を連ねる。

 「XHTMLは,有線・無線のあらゆるインターネット・コンテンツを記述できるので,無線インターネットで利用できるコンテンツが有線に比べて少ないという現状を打開できる。新たな無線サービスの提供に弾みをつけ,ユーザビリティの向上も図れる」(XHTML推進グループ)。

 XHTML推進グループは,WAP技術と連携するため,WAP Forumとも協力体制を敷く。

 「XHTMLのWWWにWAPを組み合わせ,ユーザーに最高の体験を提供する。サービスの提供に関し,世界規模でオープンな市場を展開していく」(Nokia社上級副社長のAnssi Vanjoki氏)。

 なおNokia社は同日,ラスベガスで開催中の「CTIA Wireless 2001」で,XHTML対応のマイクロブラウザを搭載した携帯電話のデモンストレーションを行った。市場への投入は2001年末を予定しているという。

 なおWWW関連技術の標準化を進める業界団体W3C(World Wide Web Consortium)は,小型機器向けのXHTML,「XHTML Basic」をW3C勧告として12月19日に発表している。W3Cは,HTMLとXMLとの統合を図ったXHTML 1.0をW3C勧告として2000年1月に公開しているが,XHTML Basicは,XHTML 1.0の機能を必要最小限に絞ったもの。

 XHTML 1.0では,「Modularization of XHTM」(XHTMLのモジュール化)と呼ぶ仕様にもとづいて,XHTMLの要素や属性のサブセットを組み合わせたモジュール化の仕組みを記述している。XHTML BasicはこのXHTMLモジュールのうち小型機器に適したモジュールの組み合わせで構成する。携帯電話,PDA(Personal Digital Assistants),ページャ,セットトップ・ボックス,テレビなどに組み込んだWWWブラウザでの利用に向けるものである。

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[Nokia社の発表資料1]
[Nokia社の発表資料2]
[Motorola社の発表資料]