国内のソフトウエア・ベンダーであるACCESSは3月19日,従来のモバイル端末向けWebブラウザ「Compact NetFront」を機能強化した新版「Compact NetFront Plus」を発表した。携帯電話などのモバイル端末メーカー向けに先行バージョンを2001年の6月末までに,製品版を12月末までに提供する予定。既にNEC,三菱電機,モトローラなどがCompact NetFront Plusを組み込んだ製品を出荷することを決めている。

 Compact NetFront Plusの特徴は,主要なモバイル向けコンテンツ記述言語や画像フォーマットに対応し,特定のフォーマットに依存せずに各種ホームページを表示できること。対応するコンテンツ記述言語は,(1)NTTドコモのiモードのベースとなった「コンパクトHTML」,(2)WWWコンソーシアムが2000年12月に勧告したモバイル端末向けの記述言語「XHTML Basic」,(3)WAP(wireless application protocol)の記述言語「WML」(wireless markup language)──など。画像フォーマットについても,GIF(graphic interchange format),アニメーションGIF,PNG(portable network graphics),WBMP(wireless bitmap)などをサポートする。

 Compact NetFront Plusはこれら記述言語や画像フォーマットの違いを吸収してコンテンツを表示するほか,端末ごとの画面表示サイズなどにも合わせて表示する。特にWMLに関しては,「従来プロトコル変換に必要だったWAPゲートウエイを介さずにコンテンツを表示できるようになり,コンテンツ・プロバイダは,WMLで記述した既存のコンテンツ資産を活用できる」(ACCESSの荒川亨社長)。

 新製品を搭載したモバイル端末を利用するユーザーは,記述言語の違いを意識することなく,コンテンツを閲覧できる。例えば,WMLで記述されたページからリンクされたHTML記述サイトへ移動するといったことが可能になる。またCompact NetFront Plusは,SSL(secure sockets layer)機能を搭載し,コンテンツ提供サーバーからモバイル端末までのセキュリティが確保できるようになる。
(蛯谷 敏=日経コミュニケーション)