Northstream社がフランス時間2月22日に,第3世代携帯電話通信事業の見通しについて明らかにした。フランスのカンヌで開催中の「3GSM World Congress」にて発表したもの。

 Northstream社は無線業界向けに顧問サービスを提供する企業。顧客企業には英Vodafone,米AT&T,NTTドコモの欧州法人NTT DoCoMo Europe,フィンランドのSonera SmartTrust,三菱,スウェーデンのEricsson,米Microsoft,ドイツのSiemensなどがある。

 Northstream社が発表した主な内容は以下の通り。

・3Gコ-ロケーション:納得できる利幅を得るために,3G事業者はコ-ロケーションを進めるざるをえなくなる。低い人口密度は3Gサービスの成功に影響を与えるもっともクリティカルな要素の1つである。コ-ロケーションはスウェーデンですでに開始しており,その他の市場でもやがて始まる。

・買い換えサイクル:携帯電話機の買い換えサイクルは1年以下という日本のレベルまで短縮する。買い換えを促す革新技術がなければ,売り上げの面でもサービス展開の面でも業界の成長はあり得ない。通信事業者とメーカは,買い換えサイクルの短縮に向けて協力するべきである。

・収入源の変化:エンターテインメントが3Gの成長を牽引する。ゲーム,音楽,写真業界の収入はモバイル・インターネットで生み出されるようになる。トラフィックが増加し通信事業者の売り上げを増やすだけでなく,3Gの成長が促進する。

・EDGEが復活する:3Gの実現が遅れビジネス・ケースの再検証が行われる中,業界はEDGEを長期的にも短期的にもWCDMAを補完ものとみなすようになる。

・セキュリティの問題:完全なセキュリティ・ソリューションが無ければ3Gは成長しない,と業界全体は考えている。果たしてそうだろうか?従来の支払い手法(クレジット・カード,固定回線のインターネット)のセキュリティ・レベルでもユーザに普及している。既存の無線セキュリティがユーザに受け入れられ,またmコマース(モバイル・コマース)の障害にならないと説得するだけの材料は揃っている。

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