米IDC(International Data Coporation)が米国時間4月26日,西欧のモバイル・データ市場を調査した結果を明らかにした。

 General Packet Radio Services (GPRS),Wireless Application Protocol (WAP),ユニファイド・メッセージングなど主要技術のサービスを欧州の事業者が開始するとともに,高速モバイル・データ・サービスのビジネス・チャンスは中期的に激増する。

 今後数年間でパケット・データが回線交換方式を追い抜いて,モバイル・ネットワークの主要データ・プラットフォームとなる。はじめはWAPがモバイル・データ・サービスを促す。いくつかの事業者は,若者市場を狙ったプリペイドWAP電話機などですでに優位に立っている。ビジネス・ユーザはまず高速データ・サービスに興味を持つだろう。高速データ・サービスは今年第3四半期と第4四半期に始まる予定だが,少なくとも2001年まで普及することはない。

 「WAPは暫定的技術と評価されてきた。しかし現在のところ,携帯電話機にWWWコンテンツやインタラクティブ・コンテンツを配信する唯一の選択肢である」(IDC,European Wireless and Mobile Communicationsプログラムの上級リサーチ・アナリストTim Sheedy氏)。

 Short Messaging Services (SMS)は急速な成長を続け,事業者は大きな利益を上げることができる。しかしパケット・データ・アプリケーションが類似サービスを提供するようになると,SMSの売り上げは下降し始める。

 モバイル商取引サービスは,安全で信頼性のあるトランザクションが可能になるまでの数年はニッチ市場であり続ける。しかしこの市場の将来性は高く,2004年の西欧におけるモバイル商取引市場は370億ドル規模に達するとIDCはみる。

 「モバイル商取引は我々が電子商取引で目にした道をたどり,より多くのトランザクションを実世界から仮想世界へと移す。スクリーンや入力方式に制限はあるが,モバイル商取引は売り手と買い手に同時に必要なサービスを提供することができる」(同氏)。

西欧におけるデータ・ユーザ数推移

1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年
SMSユーザ(千人) 25,297 53,839 82,339 107,479 128,885 142,800
合計ユーザ数に対する割合(%) 16.4 26.6 34.3 40.3 44.9 47.0
人口に対する割合(%) 6.5 13.8 21.1 27.4 32.8 36.2
WAPユーザ(千人) 92 7,055 17,808 30,457 41,986 51,781
合計ユーザ数に対する割合(%) 0.1 3.5 7.4 11.4 14.6 17.1
人口に対する割合(%) 0.0 1.8 4.6 7.8 10.7 13.1
データ・ユーザ(千人) 5,016 13,115 26,308 40,877 54,625 67,071
合計ユーザ数に対する割合(%) 3.3 6.5 11.0 15.3 19.0 22.1
人口に対する割合(%) 1.3 3.4 6.7 10.4 13.9 17.0
-- データ・ユーザ:回線交換式データ・サービス,パケット・データ・サービスのユーザ(SMSユーザは除く)。
-- WAPユーザ:回線交換式データ・サービス,パケット・データ・サービス,SMSを使ってWMLコンテンツにアクセスするユーザ

出典:IDC

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