米Computer Associates International(CA)と米EMCが企業向けSAN(Storage Area Network)環境の管理とセキュリティに関して提携した。両社が米国時間12月13日に明らかにしたもの。

 CA社とEMC社は,両社のストレージ・ソフトウエア製品を持ち寄って製品開発を行うほか,各種の取り組みで協力体制を敷く。

 両社のストレージ・ソフトウエアを統合することで,「CA社の広範なeBusinessソリューションを拡張し,両社の管理/セキュリティ,予測・分析技術を使ったソリューションの価値を高める」(両社)という。

 またCA社はEMC社の開発者プログラム「E-Infostructure Developers Program」に参加する。これにより,EMC社の企業向けストレージ・システム「Symmetrix Enterprise Storage」およびソフトウエアとCA社のソフトウエアの統合を促進する。

 さらに両社はSANの標準仕様,ストレージ・システムおよび管理のためのAPI(application programming interface)の開発でも協力していく。

 この提携による最初の製品は「CA-Vantage」となる。CA-Vantageはストレージ・リソース管理製品である。

 またEMC社は,各種の標準仕様をベースとしてオープンなSAN管理プラットフォームを提供するというCA社の取り組みを支援する。このほか両社は共同で教育セミナを開催するなど,共同で開発した製品の普及を図る。

 SANは,ハード・ディスク装置やテープ装置などのストレージだけで構成したネットワーク。LANとは切り離しているため,サーバーとストレージ間のデータのやり取りにLANの帯域を利用しない。また,さまざまなストレージを1カ所で集中管理できるなどのメリットがある。

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