米IBMが米国時間12月5日に,SAN(Storage Area Network)向けデータ管理ソフト「Storage Tank(開発コード名)」を発表した。ストレージのハードウエア,プラットフォーム,OSにかかわらずデータを共有できる枠組みを提供する。提供時期については明らかにしていない。

 「現在利用されているディスクやテープなどのストレージ・サブシステムは,連携相手のホスティング・システムやファイル・システムが限られており効率が悪い。Storage Tankは,分散したストレージやホストが会話をする共通の“言語”となる」(IBM社)。

 Storage Tankの技術は,IBM社のAlmaden Research Centerおよび傘下のTivoli Systems社が3年をかけて開発したという。Storage Tankの機能は以下の通り。

・多様なプラットフォームが混在するヘテロな環境にストレージ・システムを組み込み,データやストレージのリソースを共有できるようにする。

・管理者が設定するポリシーをベースに,データ管理やアクセス,利用,システムの配列などを制御する。

・ホスト・システムは,ストレージ・サブシステムを個々に管理するのではなく,ストレージ全体をチェックして,必要な容量の割当を行うので,ストレージの利用を効率化できる。

・「storage group」と呼ぶ仮想化したデータ・ストレージ・リソースを提供する。ストレージ機器の追加や取り外しをアプリケーションのデータ・アクセスに影響を与えることなく行うことができる。「拡張性の向上を図る」(IBM社)。

 「Storage Tankを用いることで,SANのインフラ効率を最大限に高めるほか,ストレージの管理コストを削減できる」(IBM社)。またTivoli社がLinux版Storage Tankを提供する予定という。

◎関連記事
米サンがストレージ管理ソフトの米HighGroundを約4億ドルで買収
米デルと米マイクロソフトがネットワーク・ストレージの開発で提携
2004年のストレージ・ソフト世界市場は104億ドル規模に,IDCの調査
ストレージ管理ソフト市場,IBM/TivoliからEMCへ首位交代--Dataquest
SAN製品の機能が向上/仮想ストレージ機能を持つソフトが相次ぎ登場
IBMが次世代高密度ストレージ・サブシステム発表
IBMがストレージ管理のホスティング・サービスを提供へ
TivoliがSAN管理ソフト「Tivoli Storage Network Manager」を発表
IBMとCompaqが共同開発のストレージ製品「MSS」を発表
CompaqとIBMがストレージ向けネットワーク技術の標準化で協力,総額10億ドルを投資へ
ストレージ・サービスでIBMがトップ,2位HP,IBMがIDCのレポートを引用

[発表資料]