米Compaq Computerと米IBMが米国時間7月6日に,ストレージ・ネットワークのオープン・ソリューション,標準化を推進するとして提携したことを明らかにした。両社のストレージ装置および関連ソフトウエア製品の互換性を確保し,製品の販売でも協力体制を敷く。業界全体へのノウハウの提供も行う。両社合わせて10億ドル以上を投じる計画。

「e-businessによるサービスが爆発的に増大し,消費者はいつでもどこでも利用できる製品やサービスを求めている。ストレージはこうしたニーズに向けたインターネットのインフラとして非常に重要」(Compaq社の副社長,Howard Elias氏)。

「業界標準を設け,ストレージ製品間で相互運用性を確保すれば,顧客にとって製品の選択肢が広がるほか,融通性や使い勝手が向上,導入のスピード・アップも図れる」(IBM社のジェネラル・マネージャ,Linda Sanford氏)。

Compaq社は,IBM社の大規模システム向けストレージ・サーバー「Shark」やIBM社傘下の米Tivoli Systemsが提供するシステム運用管理ソフトを採用する。一方のIBM社は,Compaqのストレージ製品「StorageWorks Modular Array」を採用し,これに自社開発した1万rpmのハード・ディスク装置を組み込む。またIBMは,ストレージ製品をCompaqが提唱するSAN(Storage Area Network)によるストレージ仮想化技術「VersaStor」へも対応させる。

両社は,設備,ソフトウエア,スタッフを相互に提供し,双方のストレージ・ネットワークやSAN向けカスタマ・センタを相互に支援する。

「両社の提携は,ネットワーク・ストレージ業界にとって,標準化に向けた非常に大きな一歩となるもの」(米IDCの副社長John McArthur氏)。IDCの報告によれば,ディスク・ストレージ・システムとストレージ管理ソフトウエアを合わせた世界市場は,2003年までに売上高ベースで530億ドル規模に達するという。

米Cahners In-Statの調査によれば,「ネットワーク・ストレージ市場は今年ブレーク,NAS(Network Attached Strage)やSANが牽引して年平均成長率50%で拡大し,2004年までに100億ドル規模にまで成長する」(関連記事)との調査結果を報告している。

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  • www1.compaq.comに掲載の発表資料
  • www.ibm.comに掲載の発表資料