英国のAnalysys Researchが英国時間11月15日に,アプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)の世界市場を調査した結果を発表した。

 ASP市場は2005年に820億ドル規模に達する。しかし,LLUB (local loop unbundling)に関する規制や競合接続サービスの条件の合意が進まないために,技術的には現段階で実現可能なASPサービスが本格的に普及する2003年以降になるという。

 「手頃な値段の広帯域接続が,ASPの成功を大きく左右する。ASPサービスの導入を考えるユーザー,とりわけ中小企業にとっては速度と信頼性が重要である」(Analysys社主席アナリストのMargaret Hopkins氏)。

 ASPのWWWサイトを介して利用できるソフトウエアが増えれば,中小企業は電子メールサービスからコラボレーション・ソフトウエア,会計パッケージ・ソフトまで幅広く利用するようになる。さらにCRM (customer relationship management)といったミッション・クリティカルなアプリケーションへと手を伸ばす。ちなみに,欧州では中小企業が雇用と国民総生産の約半分を占めている。

 米国と欧州ではDSL (digital subscriber line)とケーブル・モデムの導入が進められているが,世界的にみた普及数はわずか数百万件である。この普及が進めばASPにとっての事業機会も拡大する。しかし,依然としてデータの安全性とSLA (service level agreements)で問題が残るという。

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