米国のソフトウエア関連の業界団体Software & Information Industry Association(SIIA)が米国時間11月7日に,ASP(Application Service Provider)に関して,企業のIT管理者にアンケート調査を行った結果を発表した。ASPについて認識しているという人の数は増えており,このことからSIIAでは,「企業は近い将来にサービスの導入に向けて動き出す」などと結論づけている。

 調査は今年の10月16日~11月1日にかけて行われた。アンケート対象の大半は企業のソフトウエア管理者である。これら企業は,IT製品やサービスに年間100万ドル以上の費用を投じており,また利用数は500名以上である。

 調査結果の概要は以下の通りである。

・全体の84%がASPがどのように機能するかについて理解している
・全体の75%が将来のソフトウエア導入計画に関して,ASPの採用を検討している
・現在一つ以上のASP対応アプリケーションを運用していると答えたのは全体の24%。40%が今後1年以内に導入する計画を立てている

 また,ASPの選定基準については,「信頼性/信用を主要な条件とする」とした回答が31%あった。「ASPのサービス・レベル契約(Service Level Agreement)」とした回答は29%,「セキュリティ」は26%である。

 一方ASPの採用へ踏み切れない理由には,「社外でデータを管理することへの不安(63%)」などがあった。このうちの70%が「もし社内で管理できれば採用への意欲は増す」と答えている。

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