米Gartner GroupのDataquestが米国時間8月9日に,世界のアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)市場を調査した結果を発表した。それによると,ASPの市場規模は1999年の10億ドルから2000年には36億ドルに達し,2004年には253億ドルを超えるという。

 「大企業でも中小規模の企業でも,インフラやソフトウエア,従業員に巨額の投資をすることなく,最高のアプリケーション能力を確保できることは魅力的である。アプリケーションやサービス内容にもよるが,ASPを利用した場合,30%~70%のtotal cost of ownership (TCO)削減が可能と推測される」(Dataquest社Application Services Worldwideプログラム主席アナリストのBen Pring氏)。

 1999年,北米はASP市場全体の売り上げの65%を占めたが,2004年のその割合は45%に縮小するとみられる。欧州の売上高がASP市場全体において占める割合は,1999年の20%から2004年には32%に増加する。「2004年には,欧州とアジア太平洋地域は米国と同じくらい大規模で成熟した市場になる。欧州とアジア市場では米国よりも無線向けASPアプリケーションの受け入れが進み,それが市場の成長を促進する」(Ben Pring氏)。

 ちなみにGartnerの分析によると,現在480社のASP企業が存在し,さらに毎日新たな企業が市場に登場している。だが2001年末までに60%のASP企業が姿を消し,2004年の段階では,企業向けのフル・サービスのASP事業者として残るのは480社のうちわずか20社,部分的なソリューションのASP事業者として生き残れるのも約2割の100社以下であるという。

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[発表資料1]
[発表資料2]