動画が世界をかけめぐる時代に

 以前は動画というと、おおむねホームムービーを、家族で撮って、家族で楽しむことが定番だったが、YouTubeなどのSNSができたことにより、動画が急拡散するようになった。世界中のちょっとした生活シーンが広く共有され、笑いあり、涙あり、そして感動ありのプライベートムービーが手元にすぐ届くようになり、ある意味でインターネットから得られる情報をしのぐメディアになったと言える。画面が動き、音声が付き、最近は音楽まで流れる完成度の高い動画もSNS上に多数登場し、人々のハートをつかんでいる。簡単に動画を撮影できる動画サイト投稿用のカメラまで現れ、それで撮影された動画はプロフェッショナリティに富んでいて解像度も高く、数日で数千万クリックという怪物動画まで登場した。単にホームムービーの延長線上として子供やペットの動画で笑いをつかむレベルとは、一線を画しつつある。動画はまさに驚きや感動を一瞬にして手元に届けられる「UX(ユーザーエクスペリエンス)メディア」に変貌を遂げ、世界中のあらゆる動画が時を待たずして世界中の人々に届く、ユビキタス・ネットワーク社会となった。

動画の意味や活用方法が変わる

 「楽しい」「愛しい」「うれしい」から「役立つ」「分かりやすい」「ファンになる」までといった、商品・サービスへの理解度やブランド認知度の向上、ひいては事業に直結した導線を引き、受注獲得まで促すようになると、動画の価値は一層向上する。よくBtoC企業ではCMがWebサイト上に掲載されているが、それは単にそのCMを見損ねたお客さまが再放映を楽しむだけで、活用の域に達していないと思う。「興味を持ち」「深く知り」「納得して」「共感を抱く」、さらに進んで「ファンになる」までには長い道のりだが、その導線が引けていなければ、マーケティング上の意味は感じない。お客さまの経験価値、つまりUXも生まれない。

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