本稿は、2018年4月のThe MarTech Conference(MarTech)に参加した、マルケトバイスプレジデント マーケティング本部長の小関貴志氏に、現地で見たセールステクノロジーの進化や、マーケティング分野へのAI(人工知能)の適用などについて寄稿を依頼したものだ。アンダーワークスの田島学氏による下記の記事と併せ、マーケティングテクノロジーを取り巻く最新情報をつかんでほしい。
毎年春のThe MarTech Conference(MarTech)といえば、マーケティング関係者の間で、「Marketing Technology Landscape Supergraphic(通称:カオスマップ)」最新版が発表される場として知られています。2018年4月23~25日に米サンノゼで開催された同イベントに私が初めて参加した一つの理由は、マーケティングテクノロジー業界全体の活性化につながるイベントを日本で(将来的にはアジアでも)開催する可能性を探ることでした。
2018年に7000弱に増えたマーケティングテクノロジー
2011年8月の最初のカオスマップ発表以来、ここに載るソリューションのロゴが年々増え続けています。イベントの座長を務めるスコット・ブリンカー氏が基調講演で発表した2018年版でもその傾向は変わらず、全部で6829ソリューション(前年比で27%増加)、うち6242がユニーク(前年比で28%増加)という結果でした。
マップから削除されたロゴはわずか4.5%であったことからもわかる通り、Best of Breedが良いか、Suite製品が良いか? という議論はもう終わっており、Best of Breedが良いという前提で、「いかに組み合わせて活用するか」という議論が繰り広げられていたことが印象的でした。(図1)。
最も影響力の高いスタックを作った企業を表彰する「Stackie Award」は、2018年のエントリー企業が54社で、受賞企業が5社と意外に少ない印象を受けました。詳細な講評はなかったので、もう少しテクノロジーの導入順や選択のポリシーなどを聞きたいところです。