米Oracleは2018年4月、マーケティングやセールスなどに関連した年次イベント「Oracle Modern Experience 2018」を開催した。本記事では同イベントでOracleが示したBtoBマーケター向け戦略を、Oracle Marketing Cloudのマーケティングオートメーション(MA)であるOracle Eloquaを中心に解説する。
「多くの企業のマーケティングリーダーとの対話を通して、マーケターが(単なる)数字ではなく金額(収益)を重視することを実感している」――。BtoBマーケター向けのゼネラルセッションに登壇したOracle Eloquaプロダクトマネジメント担当副社長のピエール・クストー氏はこう話した。その上で「BtoCだけでなくBtoBマーケティングも、組織の中で収益への貢献を求められている」と指摘した(写真)。
この現状を踏まえ、同社は四つの視点から製品への投資を強化した。具体的には、
- マーケターの業務効率の向上
- マーケティングとセールスの連携
- 幅広いチャネルへの対応
- マーケティングインテリジェンス
である。
強化ポイントはUIとコンプライアンス対応
クストー氏はまず、マーケターの業務効率の向上に関わるOracle Eloquaの新機能を紹介した。ポイントは、パーソナライゼーションの効率化を目指し、UI(ユーザーインタフェース)とワークフローの改善に取り組んだところにある。
背景にあるのは大企業のマーケティング部門が、Eloqua以外にも多くのテクノロジーを導入し、複雑なマーケティングシステムを構築しているという事実である。システムの規模が大きく複雑になるほど、使いやすさは低下してしまう。
そこでマーケター自身がHTMLやCSSといったWebページ製作の知識がなくても、リッチコンテンツメールを作成できるようEloquaのUIを刷新した。新しいUIを提供したことで、ランディングページなどの作成もマーケターが容易にできるようになったという。