インターネットを顧客とのコミュニケーションフィールドととらえ、リードナーチャリングを実現するにあたって、どのような準備が必要なのか、手順は以下の通りとなる。

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 それぞれの手順について、解説する。

手順1:顧客の行動プロセスから各サイトの範囲・目的を明確にする

企業サイトの目的は、以下の三つであることは2章で述べた。

目的1:ブランド・企業価値向上
目的2:リード(見込み案件)獲得
目的3:ダイレクトレスポンス向上

具体的に、実在する企業のWebサイトにはどのようなものがあるのか、まとめる。

公式サイト:4Rを含むコーポレートサイト
商品サイト:リードジェネレーションサイト
キャンペーンサイト:PRやキャンペーン用のサイト
ブランドサイト:個別商材別のサイト
サポートサイト:既存顧客向けの会員サイト
SNS、CGMサイト:企業側が用意したコミュニケーションサイト

 この中で、特にブランドサイトは、複数開設している企業が多い。ブランドサイトは、サブドメインや独自ドメインで運用していることが多いが、同一企業内でドメイン数が30以上、中には系列やグループで100近いサイトを保有する企業も少なくない。しかし、個々のサイト単位に役割が明確になっていなかったり、サイト間の誘導など、顧客の行動プロセスから見た範囲が不明瞭なケースが多い。

▼ドメインの分類
http://www.社名.co.jp:親ドメイン
http://(サブ名).会社名.co.jp:サブドメイン
http://www.商品名.jp:独自ドメイン

メインサイトとサブサイトの関係を整理する

 商品・サービスにブランド力があり、独自ドメインで運用しているサイトは多くある。しかし、ブランド力がないにも関わらず、製品単位で独自ドメインを立ち上げているケースも数多く見受けられる。サイト数が多いほど、運用は煩雑化し、CIガイドラインや運用ガイドラインを制定しても、年々ルールが守られなくなる傾向がある。最近は、このような事態を反省し、ドメインを整理しようとする動きが見られる。

 しかし、どのサイトを生かし、どのサイトを統合すべきか悩んでいる企業も多い。そのような場合には、公式サイトやリードジェネレーションサイトをメインサイト、ブランドサイトや個別商品サイトをサブサイトと定義し、それぞれの関係性を調べることによって、サイトを整理することができる。

 具体的には、縦軸にサブサイトがすでに確立したブランドになっているかどうかで整理し、横軸でユーザがサブサイトとメインサイトの行き来をするかどうかで整理する手法である(下図を参照)。各サイトが、どのエリアに入るかによって、今後の方向性を判断できる。

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独立個性型:
すでに確立したブランドを持つサブサイトの場合は、メインサイトから独立したブランドで展開する。サブサイトのレイアウトや体裁などについては対象サイトのブランド(個性)に合わせる。
独立共通型:
ブランド力があり、かつメインサイトとのつながりも必要なサブサイトの場合は、メインサイトから独立したブランドとして展開する。ただし、メインサイトと共通した構造やルールを持たせる。
存 続 型:
ブランド力はないが自己完結的なサブサイトの場合は、メインサイトと統一するか、もしくは個別サイトとして存続させる。ただし、個別サイトとして存続させる明白な理由がない限り、メインサイトと統合することが望ましい。
統合取込型:
サブサイトがブランド力を持たず、ユーザがメインサイトとサブサイトの行き来を頻繁に行う場合は、サブサイトをメインサイトへ取り込みブランドを統合する。

 特に、サイト数が膨大にある企業は、以上の考え方からサイト群を整理し、今後のサイト戦略を立案することが必要となる。

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