ユーザー企業の大半は「業務システムの開発/運用を委託する」「IT企業から製品/サービスを購入する」など、何らかの形でIT企業と接点を持っている。取り引きのあるIT企業に対しては、満足な点も不満な点もあるだろう。

 本稿では「ユーザー企業が見たIT企業の印象やイメージ」に関する調査データを元に、IT企業を選ぶ上で留意すべき点を見ていくことにする。

 以下で紹介するデータは、ノークリサーチが2017年7~8月に年商500億円未満の中堅・中小企業1300社に対し、主要IT企業33社の印象/イメージを尋ねた結果である。33社の顔ぶれは、ハードウエアベンダー、ソフトウエアベンダー、システムインテグレータ、キャリアなどで、外資系と日本企業の両方が含まれる。

 個々のIT企業に対するユーザーの印象/イメージも興味深いが、ここでは「IT企業全体」がユーザー企業の目にどう映っているのかについて、見ていくことにしよう。

IT企業選びでユーザーが重視すること

 ユーザー企業がIT企業を選ぶ際の重視ポイントとは何だろうか。ノークリサーチがこれまで実施した多くの調査の結果を踏まえると、大きく、以下の3つが浮かび上がってくる。

 1つめは、「IT企業から提示される提案内容が自社に何をもたらすか」ということだ。収益増を目指したIT活用提案なのか、コスト削減を目的とするのか、といった、提案の方向性と言い換えてもいいだろう。

 2つめは、扱う商材の範囲である。ITに特化した品揃えなのか、IT以外の商材もまとめてカバーしてくれるのか、といった点も、多くのユーザー企業が事前に確認しておきたいと考える点である。

 3つめは、ユーザー企業の業務に対する理解度である。ITの知識は豊富でも、ユーザー企業の業務を理解できないというのでは困る。取引先の業種/業態への理解度も、多くのユーザー企業が気にかけるポイントだ。

 調査では、これらを具体的な9つの評価ポイントに落とし込んだ。回答者には、9つの評価ポイントについて、自社の取引先IT企業に当てはまるかどうかを答えてもらった。また、各項目について、回答者の理解を助けるため、アンケートの設問に具体的な例を付記した。

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