ビジネスのさまざまな場面で「所有」から「利用」への変化が進んでいる。中でも注目を集めているのが、「サブスクリプション(購読型)」および「シェアリング(共有型)」と呼ばれるビジネス形態だ。今回は、これらが企業のIT活用に与える影響、さらには本業との関わりについて見ていく。
「サブスクリプション」と「シェアリング」
まずは一般的なサブスクリプションとシェアリングの定義を確認しておこう。
サブスクリプション(購読型):
購入(初期費用)および保守(運用費用)による買い取りではなく、継続的に対価を支払うことによって製品やサービスを利用するビジネス形態。
シェアリング(共有型):
製品やサービスを他社/他者と共同で利用することによって、費用削減や品質向上を図るビジネス形態。
サブスクリプションは、リースやレンタルと似ているが、単に商品の購入費用を按分(あんぶん)するだけでなく、対価を支払っている間、一定の範囲内で利用する製品やサービスを取捨選択できる点が異なる。
例えば、サブスクリプションの代表例として紹介されることが多いサービスに、「Laxus(ラクサス)」と「airCloset(エアークローゼット)」がある。これらはそれぞれ、「使い放題のバッグレンタルアプリ」および「月額制ファッションレンタル」をうたい文句としており、ブランド品のバッグや洋服を一定の選択肢から自由に選んで利用できる。
一方のシェアリングは、サブスクリプションよりも新しく登場した概念である。だが、ライドシェアの「Uber(ウーバー)」や民泊の「Airbnb」などが話題になったことで、日本国内でも既になじみのあるビジネス形態となりつつある。