「データに基づく判断」の実現は、規模や業種によらず全ての企業が今後取り組むべきIT活用のテーマとなった。それを担うツールがBI(Business Intelligence)や帳票ツールである。BIや帳票は以前からあるカテゴリーだが、昨今では導入の手軽さや使い勝手の良さといった点で進化が見られる。BI・帳票の導入実態データを元に、最新の動向を押さえておくことにしよう。

機能ニーズへの合致性が高まり、価格も手頃に

 例年、ノークリサーチでは年商500億円未満の企業1300社を対象としたBI・帳票に関する調査を行っている。それによると、BI・帳票の導入率は、5.8%(2017年)から7.6%(2018年)へと増加している。1割未満ではあるものの、BI・帳票によるデータ活用が大企業だけでなく、中堅・中小企業にも普及しはじめる兆候と見ることもできるだろう。

 以下のグラフはBI・帳票を導入済みの企業(年商500億円未満)に対し、導入した背景を尋ねた結果である。設問では、導入背景として様々な選択項目を用意したが、ここでは「価格と機能のニーズ合致性」に絞って紹介する。

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 グラフを見ると、2017年から2018年にかけて、「機能がニーズに合致している」ならびに「価格がニーズに合致している」の回答比率が高まっており、特に後者については14.7ポイントと大きく伸びていることがわかる。一方、「機能がニーズに合致していないが、継続利用している」や「価格がニーズに合致していないが、継続利用している」はほぼ横ばいである。

 この結果から、BI・帳票の機能や価格は、全体としてはユーザー企業のニーズに合ったものになりつつある状況とみることができる。冒頭に述べた導入率の増加にも、このことが大きく影響したものと考えられる。

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