大企業に限らず中堅・中小企業でも、サーバー環境をIaaSやホスティングといったクラウド(パブリッククラウド)に移行するケースが増えてきた。とはいえ、サーバーの用途によっては「企業ポリシーやデータ内容に関連する事情」「パブリッククラウドでは実現が難しい自社固有のシステム構成が必要」といった理由で、オフィス内もしくは自社のデータセンター内に設置する形態(オンプレミス)を選ぶ企業も依然として多い。

 クラウドについては新たな技術が次々と登場し、ユーザー企業もその進歩の速さを実感しているだろう。その一方で、オンプレミスについては「現状維持が無難」と考えてしまいがちだ。だが、本当にそれが最善の策なのだろうか?今回はオンプレミスのサーバー環境にも起きつつある変化について、最新の調査データを交えながら見ていくことにする。

「広義のサーバー」というとらえ方

 今回のテーマを考える上で、まず「サーバー」という言葉の意味を再確認しておく必要がある。冒頭でも述べたように昨今のサーバー環境にはクラウドとオンプレミスがある。業務システムの基盤となるサーバー環境の動向を広く適切に把握するためには、これらの双方を常に念頭に置いておくことが重要だ。そこで、ノークリサーチでは下図に示すように、双方を含めた「広義のサーバー」という捉え方を採用している。

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 ただし「広義のサーバー」はミドルウエアやアプリケーションを導入/運用するための基盤を指し、これらは「広義のサーバー」の構成要素とはみなさない。つまり、アプリケーションをサービスとして利用する形態であるSaaSやアプリケーションの開発基盤やミドルウエアなどをサービスとして利用する形態であるPaaSは「広義のサーバー」には含まない。

 さて、「オンプレミスとクラウドのどちらが良いか?」と聞かれたら、多くの方は「システム要件によって変わってくる」と答えるはずだ。つまり、サーバー環境においてオンプレミスとクラウドのどちらを選ぶべきかは、適材適所で判断する必要がある。そのためにも、両者を分断して捉えるのではなく、「広義のサーバー」という大きな括りで捉えておくことが重要になる。

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