昨今ではIT関連のメディアだけでなく、一般のニュースやテレビ番組でも「AI(人工知能)」に関するトピックが多く取り上げられている。まさに「AIブーム」が再び到来した状況といって良いだろう。一方で、「エキスパートシステム」や「ディシジョンサポートシステム」など、過去の「AIブーム」を知る企業の間には、慎重な意見もある。

 現在のAIブームは従来と何が違い、企業は何を期待し、何に注意を払うべきなのだろうか?AIとはそもそも何か、という基礎知識も含め、調査データを交えながら答えを探っていくことにしよう。

2017年、「AI」の市場規模は「IaaS/ホスティング」を超える

 まず、企業におけるAIへの注目度を調査データで確認しておこう。以下のグラフは「様々なITソリューション分野への2017年の投資予定」を尋ねた結果を元に推定した、国内の中堅・中小企業(年商500億円未満)全体における市場規模データ(抜粋)である。

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 グラフ中に挙げた3つのITソリューションについて説明する。

人工知能/機械学習:
データに内在する知識やパターンを認識/学習し、ビジネスに有用な推論を導き出す

IaaS/ホスティング:
サーバー機器やストレージ機器をクラウド型のサービスとして利用する

IT運用管理アウトソーシング:
IT資産(機器やアプリケーション)の管理/運用を外部の企業に委託する

 冒頭に述べたAIは、この中では「人工知能/機械学習」に該当する。残りの2つの項目はクラウドと深く関係している。最近では業務システムを構築/運用する手段として自らサーバーを導入/設置する代わりに、「IaaS/ホスティング」を選ぶケースが増えてきた。その半面、企業が所有するIT資産の管理/運用を外部に委託する「IT運用管理アウトソーシング」の需要は徐々に減りつつある。上記のグラフはクラウドの普及がもたらす市場の変化を示しているわけだ。

 そうした中、「人工知能/機械学習」の市場規模は「IaaS/ホスティング」をさらに上回っている。このようにユーザー企業を対象として調査した市場規模の観点から、AIへの期待や関心の高さを確認できる。

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