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ノーク岩上の調査データに見る賢いIT選び

第51回 IoTで進む「エンジニアリングのサービス化」と「非IT企業のSIer化」

2016/03/24

岩上 由高=ノークリサーチ シニアナリスト

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 「IoT(Internet of Things)」は今最も注目を集めているIT関連キーワードの一つだ。最近はテレビのニュースでも取り上げられ、冷蔵庫、フライパン、ルームライトなどといった様々な「モノ」がネットワークにつながり、ヒトの話す言葉を理解しながら、近未来的な生活シーンを実現する姿が紹介されている。

 ここまで読んで、「スマート家電」「人工知能」などと何が違うのか?と感じられる方も少なくないだろう。確かに、「IoT」が指す範囲はかなり広がってきており、バズワード的な様相を呈し始めてもいる。そこで、もう一度原点に立ち返り、「IoT」とは何なのかを考えてみることにしよう。

PCのセキュリティ対策も「IoT」?

 まず始めにIoTの定義を確認しておこう。IoTの定義については様々なスタンスがあるが、ノークリサーチでは以下のように定めている。

IoTの定義:
 様々な機器がセンサーなどを通じて取得したデータをシステム側で収集/分析することで、機器同士が双方向または自律的に動作し、新たな付加価値や全体の効率化/省エネなどを実現しようとする取り組み。

 ポイントは、単に機器同士が通信するだけでなく、「双方向または自律的に」通信するという点である。例えば「スマートメーター」の場合、電力消費に関するデータを収集するだけでなく、収集結果に応じて適切な電力供給を行う。各戸のスマートメーターと電力供給側が双方向で通信を行うことにより、電力供給システム全体の安定を自律的に維持するわけだ。

 一方でPCのセキュリティ対策も、実は似たような仕組みを既に構築している。膨大な数のPCから最新のマルウエア情報を収集し、その結果を解析して対策を講じ、それを再度PC側へ配布する。この流れはまさに「双方向かつ自律的」と言っていいものだ。

 ここで分かることは、定義を字面で解釈しただけでは、以前からあるPCのセキュリティ対策の仕組みも「IoT」の一つということになってしまい、不十分だということである。では、IoTの本質とは一体何だろうか?ここではIoTと深い関連がある「エンジニアリングのサービス化」と「非IT企業のSIer化」という2つの事象に注目して考えてみたい。

各国で広がる製造業の守備範囲

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