米AT&Tと米BellSouthは,AT&TによるBellSouth買収に合意したことを米国時間3月5日に明らかにした。取引は株式交換方式で行われ,買収総額は約670億ドルにのぼる見込み。「無線,ブロードバンド,ビデオ,音声,データ通信を効率的および効果的に提供するプロバイダが誕生する」(両社)。

 BellSouthの株主は,BellSouth株式1株につき,AT&T株式1.325株を受け取る。3月3日のAT&T株の終値をもとにした場合,BellSouth株式1株は37.09ドルに相当する。この金額は同日のBellSouthの株価より17.9%高いという。取引は約12ヵ月以内に完了する見込み。

 両社の合併により,昨年AT&Tと合併した米SBC Communicationsと米BellSouthの合弁会社である米Cingular Wirelessの所有権を一本化し,管理および運営体制の強化を図る。AT&Tブランドのもとで,より効率的なマーケティングとサービスを提供するとしている。

 「Cingular,BellSouth,AT&T社のネットワークを統合することで,技術革新と機敏性が高まり,効率的に幅広い高度サービスを提供して,顧客に恩恵をもたらすことができる」(両社)。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,新会社は約1300億ドルの売り上げ規模,22州のサービス提供地域を擁することになる。

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