米連邦通信委員会(FCC)は,米SBC Communicationsと米AT&Tの合併,および米Verizon Communicationsと米MCIの合併を承認したことを米国時間10月31日に発表した。

 2件の合併については,すでに米司法省(DOJ)もダーク・ファイバ貸し出しの条件付きで認めている(関連記事)。

 FCCはDOJの条件を踏まえた上で,「消費者が両合併による公共利益の恩恵を受けることができる」と判断。補完的ネットワークの統合で新サービス提供の効率が向上し,ネットワークの性能や信頼性が高まるなどの成果を期待できるとしている。また,「合併は結果的に大幅なコスト節約につながり,米国全土の消費者に恩恵をもたらすことになる」(FCC)と結論づけた。

 FCCは合併承認の条件として,州が定めたUNE(アンバンドル網要素)料金を上げないこと,通話サービス非加入の消費者にもDSLのみのサービスを2年以上提供することなどを義務づけた。

 SBC社とAT&T社の合併手続きは年内に完了する見通し。Verizon社とMCI社の合併手続き完了は2005年末~2006年初頭を予定している。

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[発表資料(Wordファイル)]