通信業界における2大合併を米司法省(DOJ)が条件付きで認めた。承認を受けたのは,米Verizon Communicationsによる米MCI買収と,米SBC Communicationsによる米AT&T買収。4社が米国時間10月27日に承認取得を明らかにしたもの。
合併の条件として,Verizon社とMCI社は,Verizon社サービス地域における356棟への未使用接続(ダーク・ファイバ)を他の通信事業者に貸し出す。SBC社とAT&T社は,SBC社サービス地域における一部接続の使用を他の通信事業者に提供する。
Verizon社とMCI社は,米連邦通信委員会(FCC)の承認を得てから,2005年末あるいは2006年早々に合併取引を完了する見込み。FCCは10月28日に投票を行う予定。
SBC社とAT&T社は年内の取引完了を見込んでいる。「FCCの承認もまもなく得られるだろう」(AT&T社執行バイス・プレジデント兼法務顧問のJim Cicconi氏)。なお,合併後の新社名は「AT&T」となる(関連記事)。
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