米Qwest Communications Internationalは,米SBC Communicationsと米AT&Tの合併を認めないように要請する文書を米連邦通信委員会(FCC)に提出する計画を米国時間4月25日に明らかにした。

 Qwest社は,この合併が連邦と州の政策立案者が通信業界に競争をもたらすために行なってきた取り組みに反しており,業界の状況が後戻りしてしまうと懸念を表している。また,大規模な合併により,料金の値上げやサービスの品質低下につながり,顧客の選択肢も縮小されるとしている。

 Qwestの公共政策担当副社長のSteve Davis氏は,「SBC社とAT&T社が提案されている通りに合併すれば,業界の状況が何年も後戻りしてしまうだろう。SBC社は,同社の最大の競争相手であり,戦略的に最大の脅威となっているAT&T社の買収を提案している。厳しい条件を課せられたり,一部の事業の売却を求められたりしない限り,この合併が,公共の利益になりえるとは思えない」とコメントしている。

 同社は,合併が完全に否定されない場合には,公共の利益を守るために,FCCは合併の承認に対して制約を設けなければならないとしている。また,この合併で,無線通信,VoIP,ブロードバンドなどの新しい技術との競争が脅かされると主張している。

 Qwest社は,両社による160億ドル規模の合併が1月に発表されて以来,何度も反対を表明してきた。4月14日には,カリフォルニア州公益事業委員会にもSBC社とAT&T社の合併に反対する文書を提出している。

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