米Verizon Communicationsと米MCIの合併にともなって編成された事業部門Verizon Businessは,米国の大企業および政府機関に向けた無線と有線を統合した一連の通信サービスを,米国時間1月23日に発表した。

 Verizon Business社が提供するサービスの第1弾となるのは,モバイル・ソリューション「Enterprise Mobility」。高機能プラットフォーム,エンドポイント・セキュリティ機能,EV-DO(Evolution Data Optimized)技術を採用したブロードバンド接続サービスからなり,米国の主要181都市において展開する。

 ノート・パソコンに「BroadbandAccess/National Access」PCカードを挿入すれば,エンド・ツー・エンドのセキュリティを備えたEnterprise Mobilityプラットフォームを介して,社内システムやインターネットにアクセスできる。MCI社のリモート・アクセス・スイートを基盤とする。

 Verizon Business社はまた,ビジネスの継続性と災害回復を支援するサービス「Retail & Remote Office Wireless Backup Services」を提供する。同社の「IP VPN Broadband Service and Secure Gateway Services」を利用して,私設および公衆IPネットワークを使ったシームレスな通信を実現するほか,無線ブロードバンドによるバックアップを可能にするという。

 同社はこの他にも,データおよびIPネットワーキング,マネージド・サービス,音声アプリケーション,ITサービス,CPE(顧客宅内機),長/短距離音声サービスなどを手がける予定である。

 同社上級副社長兼最高マーケティング責任者のEd McGuinness氏は,「Verizon Business社が通信市場に参入することで,業界の力関係は大きく変わるだろう。今後も,新しい製品やITソリューションを続々と市場に投入するつもり」と述べた。

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