米Adobe Systemsは,CADソフトウエア・ベンダーの米Naviswareからデジタル著作権管理(DRM)事業を買収したことを米国時間1月9日に発表した。買収金額などの詳細については明らかにしていない。

 Navisware社はノースカロライナに本社を構える未公開企業。同社は,エンジニアリング設計に関する各種書類の著作権保護を目的としたDRM技術「FileLine」を開発した。

 Adobe社は同DRM技術を自社のドキュメント管理ソフトウエア「LiveCycle Policy Server」に組み込む。金融サービスや政府機関,メーカーなどが扱う,知的資産を含む各種書類に直接ポリシーを適用できるようにすることで,「PDF,Microsoft Office,CADなど,さまざまなフォーマットの書類に対する一貫した保護を可能する」(Adobe社)。また,マネージャや監査役は書類にアクセスしたユーザーのログを閲覧し,不正使用や漏洩の形跡がないかを簡単にチェックすることができる。

 さらに,同DRM技術により確実な書類のバージョン管理が可能となり,古い書類を誤用したり,破棄し損なった書類が第三者の手に渡ったりといった危険性を回避できるという。

 現行のLiveCycle Policy Serverは,PDF書類へのポリシー適用が可能。Microsoft OfficeおよびCAD書類対応のポリシー適用すでに機能を備えたLiveCycle Policy Serverは2006年秋にリリースする予定。

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