米Vonage Holdingsの子会社であるVonage America社は,同社のVoIPサービス加入者向けに緊急通報サービス「Enhanced 911(E911)」の提供を開始した。同社が米国時間12月14日に発表した。同社のVoIPを利用した緊急通報は,加入者の位置情報を基に地元の適切な緊急通報センターに接続される。センター側には,加入者の位置情報と電話番号が通知される。

 Vonage社のVoIPサービスを介して911をダイヤルすると,加入者の情報は通信指令係のスクリーン上に表示される。地元の担当当局側で加入者の電話番号や住所を表示できない場合には,従来の地上通信線を使った911ネットワークを介して通報が適切な応答センター(PSAP:Public Safety Answering Point)に転送される。

 また,この従来型の緊急通報がつながらなかった場合に備え,同社の911緊急応答センターによるサポートを用意しているという。

 米連邦情報通信委員会(FCC)は同年6月にE911対応義務化命令「VoIP 911 Order」を発令し,11月28日までにE911機能をすべての加入者に提供できないVoIPプロバイダはサービスを停止するように通達していた。しかし,2度の期限延長を経て,条件付きでサービスの提供を11月7日に認めていた。

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