Sun Fire T2000
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Sun Fire T1000
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 米Sun Microsystemsが,動作周波数9.6GHzに相当する性能を備えたマルチコア・プロセサ「UltraSPARC T1」(開発コード名は「Niagara」)ベースの新型サーバー「Sun Fire T1000」「同T2000」を米国時間12月6日に発表した。T2000は直ちに利用可能とする。T1000は現在注文を受け付けており,2006年3月に出荷を始める。

 T1000は1U/19インチ型のサーバーで,Webおよびネットワーク用のインフラ構築に向けた製品。T2000は2U/24.3インチ型のきょう体に高度な冗長性を備え,アプリケーション・サーバーやWeb統合用として「最大限の使用可能時間を提供する」(Sun社)という。

 いずれも演算コアを8個内蔵する新型プロセサUltraSPARC T1を搭載している。同プロセサはマルチスレッド化技術「CoolThreads」により,1コアで4個のスレッドを実行するため,プロセサ全体で合計32個のスレッドを同時に処理可能となる。CoolThreadsは,同社のUnix OS「Solaris 10」用のアプリケーションをコンパイルし直すことなくマルチスレッド化できる。これまで100社以上の顧客が両サーバーのベータ試験に協力し,データセンタに設置するサーバーの台数を最大75%削減できたという。

 両サーバーを導入すると,電力/冷却/設置面積のコスト低減にもつながるという。こうした性能を表現するために,同社は新たな性能指標「Space, Wattage and Performance(SWaP)」を提唱した。処理性能を必要な設置面積と消費電力で割った値を使うことで,「データセンタの管理者に全体像を示せる」(同社)。

 新型サーバーの米国における価格は,T1000が2995ドルから,T2000が7795ドルから。Sun社は,購入前に無料で90日間試験運用できる制度「Try It Before You Buy It」を用意する。

 またSun社は同日,UltraSPARCプロセサの関連技術をオープンソースとして公開する取り組み「OpenSPARC Project」を発表した。ハードウエア記述言語Verilogによるソースコードや検証スイート,シミュレーション・モデル,命令セット・アーキテクチャ仕様「UltraSPARC Architecture 2005」などの技術情報を提供するとしている。

【IT Pro編集から】初出時に,タイトル中に「9.6GHz版」,また要約および本文中に「動作周波数9.6GHzのマルチコア・プロセサ」との表記がありましたが,それぞれ「9.6GHz動作相当」,「動作周波数9.6GHzに相当するマルチコア・プロセサ」に訂正しました(2005年12月7日)

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[発表資料(全体概要)]
[発表資料(Sun Fire T1000/T2000)]
[発表資料(SWaP)]
[発表資料(OpenSPARC Project)]