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 米Sun Microsystemsが,演算コアを8個内蔵する新型プロセサ「UltraSPARC T1」(開発コード名は「Niagara」)を米国時間11月14日に発表した。マルチスレッド化技術「CoolThreads」により1コアで4個のスレッドを実行するため,プロセサ全体で合計32個のスレッドを同時に処理できる。

 Sun社では「現在多くのプロセサが150Wほどの電力を消費するのに対し,CoolThread対応SPARCプロセサの消費電力は70Wしかなく,米IntelのXeonや米IBMのPowerの半分以下」としている。またCoolThreadsは,Sun社のUnix OS「Solaris 10」用のアプリケーションをコンパイルし直すことなくマルチスレッド処理することが可能で,プロセサ全体の処理性能が非常に高くなるという。

 「UltraSPARC T1を採用すれば,全世界で使用されているWebサーバーの数を半減できる。そうすると消費電力を激減させ,100万エーカー(約4047平方km)植林するのと同じだけの二酸化炭素(CO2)排出量削減効果が得られる。過去3年間に販売されたエントリ・サーバーの半数を同プロセサ搭載サーバーに置き換えれば,CO2排出量を毎年1100万トン以上減らせる。これはスポーツ多目的車(SUV)約100万台分の排出量に相当する」(同社)

 動作周波数は1.2GHz。製造プロセス・ルールは90nm。年内に「Sun Fire」製品系列のサーバーに搭載して利用可能とする予定。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Sun社は同プロセサを厚さ1.75インチ(約44mm)の「Erie」モデルと厚さ3.5インチ(約89mm)の「Ontario」モデルで採用するという。

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