米IBMは米国時間11月30日,米Sun MicrosystemsのSolaris用アプリケーションをIBM社のLinux環境に移植するツール「Migration Kit for Solaris to Linux」の新版を発表した。Webサイトで無償ダウンロード提供する。

 このツールを使用すると,CまたはC++言語で記述されたSPARCプロセサ向けSolaris用アプリケーションを,IBM社のLinuxシステムに移行できる。移行先として対応しているシステムは,Powerプロセサ・ベースのサーバーのほか,米Intelおよび米AMDのプロセサを搭載するサーバー,メインフレームなど,「当社の全Linuxシステムが対象」(IBM社)。またIBM社は,パートナ向けポータル・サイトPartnerWorldのLinuxコーナーで,Linux環境への移行に関する情報,トレーニング,技術サポートなどを提供する。

 IBM社はSolarisからLinuxへの移行を推進するため,2005年2月に独立系ソフトウエア・ベンダー向けプログラム「Chiphopper」を発表し,米Novellおよび米Red HatとともにISVの活動を支援してきた。2005年5月には,顧客によるSolarisからLinuxへの移行を支援するサービスSolaris to Linux Migration Factoryも提供し出してている。

 Chiphopperなどを利用してLinux対応を実施したISVは60社に上り,移植済みアプリケーションの数は267種類あるという。IBM社はSolaris to Linux Migration Factoryを通じ,3000事例以上の移行作業を実施した。

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