米Sun Microsystemsは,米国企業CEOで構成される団体Business Roundtableの“持続可能な成長”などを推進する活動「S.E.E. Change Initiative」に協力する。Sun社会長兼CEOのScott McNealy氏が米国時間9月21日に,CEO Forumで明らかにしたもの。

 同社によると,オンライン環境にある人の数は2年前に比べ3億500万人,35%増えたという。「その結果,コンピュータ・システムの消費するエネルギーも大きく増加し,資源供給や環境保護が問題になってきた」(同社)

 McNealy氏は「世界市場が拡大する状況において,持続可能な成長の実現に向けた取り組みは,消費電力や冷却といったデータ・センター環境コストの大幅削減に効果的であるだけでなく,ネットワークを構成するコンピュータの機能向上にもつながる」と述べる。

 「当社は喜んでS.E.E. Change Initiativeに参加するとともに,持続可能な成長や,最終的には全人類をネットワークに参加可能とするコンピューティング活動への投資を,ほかのシリコンバレー企業に働きかける」(同氏)

 具体的な取り組みとして,同社はデータ・センターの効率化に関する技術開発を行ってきたとする。たとえば先ごろ提供開始した「Sun Fire」製品系列のx64サーバーは,同等クラスのサーバーに比べ消費電力が約3分の1,処理性能が1.5倍,価格が半分という。2008年には,2年前の水準に対して処理性能が30倍高いにもかかわらず,消費電力が10分の1,発熱量が半分というシステムの実現を目指す。

 シン・クライアントも持続可能な成長に効果的と説明する。実際に同社が導入したところ,各従業員にパソコンを用意する必要がなくなり,消費電力が約9分の1に,原材料の消費量が150分の1に減った結果,同社の2005会計年度通期(2004年7月~2005年6月期)におけるエネルギーおよびシステム・コストを2400万ドル節約できたという。

 そのほかの主な取り組みは以下の通り。

・遠隔勤務プログラム導入したところ,この勤務体系の従業員は通勤時間を週に平均2時間短縮できた。これは大気汚染の緩和やガソリン消費量の削減につながる。同社は2005会計年度通期に6900万ドルの不動産費用を圧縮した。現在のプログラム参加者数は1万4000人で,2008年までに5000人増やす計画

・製品リサイクルを進め,過去6年間で1800万ポンド(約816万kg)分のコンピュータ関連機器をリサイクルした。埋め立て処分される部品点数を製品全体の5%まで減量することを目標とする

・二酸化炭素などの温室効果ガス排出を2012年までに20%減らす

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