米Crayのチーフ・サイエンティスト,Burton Smith氏は同社を離れ,米Microsoftに入社する。Cray社が米国時間11月25日に明らかにした。

 Cray社社長兼CEOのPeter Ungaro氏は「Smith氏はチーフ・サイエンティストとして,また当社研究開発チームの重要な指導者として,長年にわたり,革新をもたらすとともに技術的指導力を発揮してくれた。同氏の高性能コンピューティング(HPC)市場への大きな貢献を誇りに感じ,同氏の観念がコンピューティング業界に影響を広げるのを期待している」と述べた。

 Smith氏は12月7日付でCray社を退社し,同社取締役も退任する。

 米メディア(NYTimes.com)の情報によれば,Smith氏は,スーパーコンピュータ・メーカーの米Tera Computer創設者の1人で,マルチスレッド・アーキテクチャ(MTA)の先駆者の1人と言われている。Tera Computer社は2000年に米Silicon GraphicsからCray Research事業を買収し,その後社名をCrayに変更した。

 なおMicrosoft社はHPC分野への関心を高めており,HPC向けクラスタリング・サーバーのベータ版「Windows Compute Cluster Server 2003 Beta 2」などを11月15日に発表している(関連記事)。

◎関連記事
米Cray,元米IBMのPeter Ungaro氏を社長に任命
米Microsoft,64ビットやHPCへの取り組み,企業向けデスクトップ検索ソフトなどを発表
米Sun,HPCソリューション・センターを米オレゴン州に開設
スパコンTOP500ランキング、米IBMが上位独占
米IBM,ソニー,東芝が「Cell」の技術情報を発表,動作周波数4GHz超で「スパコン並の演算速度」
米Dell,米ブリガムヤング大学にスーパーコンピューティング・クラスタを納入
米IBMのスパコン「ASC Purple」,目標を10%上回る111テラFLOPSを達成
米IBM,ソニー,東芝が「Cell」プロセサ関連の技術情報を公開

[発表資料へ]