米IBMは,8月に米国家核安全保障管理局(NNSA)管轄下のローレンスリバモア国立研究所(LLNL)に納入予定のスーパーコンピュータ「ASC Purple」が,事前テストで目標を上回るパフォーマンスを達成したことを米国時間7月22日に明らかにした。

 ASC Purpleは,米エネルギー省(DOE)の研究部門である米国家核安全保障管理局(NNSA)の「Advanced Simulation and Computing(ASC)」プログラムとIBM社が共同で開発しているもの。核兵器のシミュレーションを目的としている。

 IBM社は2002年11月にDOEから契約を獲得しており,6月下旬にデモが予定されていた。同社によれば,目標演算速度として101テラFLOPSを見込んでいたところ,6月23日に実施したデモでは目標を10%上回る111テラFLOPSを達成した。

 デモが行われたシステムは,動作周波数1.9 GHzのPower5プロセサを8基搭載するクラスタ用サーバー「P5-p575」を1280台相互接続したもの。

 また,ベンチマーク・テストLINPACKにおいて,1185ノードのPurpleクラスタは60.490テラFLOPSを記録した。これにより,世界スーパーコンピュータ・ランキングTop500 Supercomputerにおいて1位と2位を占めるIBM社のBlue Gene/Lに続き,ASC Purpleは3位にランクされる。

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