米Microsoftがスペインのバルセロナで現地時間11月15日に開幕したITプロフェッショナル向け会議IT Forum 2005で,OSや各種ソフトウエア製品の64ビット対応計画,高性能コンピューティング(HPC)向けクラスタリング・サーバーのベータ版「Windows Compute Cluster Server 2003 Beta 2」,企業向け総合管理ソフトウエア「Microsoft Dynamics GP 9.0」,デスクトップ検索ソフトウエア「Windows Desktop Search」の企業向けバージョンなどを発表した。

 64ビット対応への取り組みとして,Microsoft社は先日提供を開始したデータベース・ソフトウエア「SQL Server 2005」およびアプリケーション開発環境「Visual Studio 2005」と,サーバー向け仮想マシン・ソフトウエア「Virtual Server 2005 R2」で,64ビット環境に最適化した製品を提供している。今後は「Microsoft Exchange Server“12”」や「Windows Server“Longhorn”Small Business Server」(開発コード名),中規模企業向けサーバー・パッケージ製品系列「Centro」(同),Windows Compute Cluster Server 2003で64ビット版とx64ハードウエア向け製品を用意する。さらに「Windows Server“Longhorn”R2」(同)は,64ビット専用ハードウエアでも利用可能とする予定。

 同社は,64ビット対応クラスタリング・サーバーWindows Compute Cluster Server 2003 Beta 2の提供を開始した。既存インフラおよびツールを流用して,HPCプラットフォームの構築が行えるという。現在20社以上のパートナ企業と協力し,同サーバー上で利用可能なアプリケーションを準備している。また同社は,HPCの研究などを進めている大学および研究機関10組織に対し,数100万ドル規模の資金援助を行う。

 Microsoft Dynamics GP 9.0は,中規模企業向け総合管理ソフトウエアの新版(旧名称は「Microsoft Business Solutions-Great Plains」)。役割ベースのテンプレートの追加によるパーソナル化機能の強化,Microsoft Officeアプリケーションなどとの連携強化,新しいXML対応処理エンジンによる「Microsoft Dynamics CRM 3.0」「Microsoft Dynamics GP」との連携強化などを図った。アフリカ,米大陸,オーストラリア,中東,ニュージーランド,英国で利用可能である。米国における価格は,「Standard Edition」が3500ドルから,「Professional Edition」が7500ドルから。

 同社は,Windows Desktop Searchに一元管理機能などを付加した企業向けバージョンの提供を始めた。15カ国語に対応しており,「Microsoft Systems Management Server」や他社製配布ツールによる管理が可能。対応OSはWindows XP/2000。Windowsライセンスの所有者は,同社のWebサイトから無償でダウンロードできる。

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[発表資料(概要)]
[発表資料(Windows Compute Cluster Server 2003 Beta 2)]
[発表資料(Dynamics GP 9.0)]
[発表資料(企業向けWindows Desktop Search)]