米Intelは,マルチ・レベル・セル(MLC)技術を適用した携帯電話機/組み込み機器向けNOR型フラッシュ・メモリー「Intel StrataFlash Cellular Memory(M18)」の量産出荷を開始する。Intel社が米国時間11月17日に明らかにしたもの。製造プロセス・ルールは90nmで,従来の130nm版に比べデータ転送速度が高く,消費電力が少ないという。

 同社は「M18は業界最高のデータ読み出し速度を提供する。次世代の携帯電話機向けLSIのバス・クロック周波数と同じ最大133MHzで動作可能」と述べる。書き込み速度は最大0.5Mバイト/秒あり,300万画素のスチル・カメラやMPEG-4ビデオ・カメラのデータ保存に使える。データ転送の高速化は,M18を機器に組み込むOEMにとってもメリットであるという。「機器製造時のデータ書き込み速度が130nm版に比べ最大3倍速いので,製造コストの低減につながる」(同社)

 従来製品より省電力化した結果,処理に必要な消費電力はデータ書き込み時では3分の1に,データ消去時では約半分になった。省電力動作モード「Deep Power Down」も備えており,機器のバッテリ駆動時間を長くできるという。

 90nmに微細化してメモリー・セルを高密度化したため,単一ダイで256Mビットおよび512Mビット,複数ダイをスタックすると最大1Gビットの製品を供給できる。

 また同社は,フラッシュ・メモリー用ファイル・システムの新版「Intel Flash Data Integrator(FDI)v7.1」をロイヤルティ・フリーで提供する。

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