米国のプライバシ保護団体のTRUSTeは,ユーザーをスパイウエアやアドウエアから守るためのプログラム「Trusted Download Program」を,米国時間11月16日に発表した。一定要件を満たした認定アプリケーションの“ホワイトリスト”を作成し,この取り組みに賛同する業界大手が“ホワイトリスト”に記載のアプリケーションを使って広告を配信するというもの。2006年初めから,同プログラムの試験運用を開始する。

 Trusted Download Programのホワイトリストに登録されるには,表示する広告や追跡する個人情報の種類,変更の可能性がある設定を明確にしなければならない。インストールにはユーザーの同意が必要なほか,分かりやすいアンインストールの方法を提供することが義務づけられている。さらに広告には,それを配信しているアドウエアの名前を明示する必要がある。

 米Yahoo!,米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL),米Computer Associates International,米CNET Networks,米Verizonがスポンサとして同プログラムに協力しており,ホワイトリストを基に広告掲載やソフトウエア配信を行うという。

 TRUSTeは,「業界大手と協力が得られたことは,アドウエアやソフトウエアのプロバイダが認定を得るためのインセンティブになる」と説明する。

 「ユーザーの知らぬ間にダウンロードされるソフトウエアは日増しに増えており,その数をユーザーが管理できるようにすることは非常に重要だ。同プログラムでは,準拠可能な要件と効果的な管理方法を提供している」(TRUSTe,執行ディレクタのFran Maier氏)。

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