米Verizon Communicationsは,広告とマーケティング・プログラムにおけるアドウエアの利用に関して,新しいガイドラインを米国時間7月26日に発表した。同ガイドラインは,顧客のプライバシ保護,オンライン販売と広告におけるコンピュータ技術に関わる消費者の懸念を軽減させることを目的としている。

 アドウエアは,消費者が製品やサービスをオンラインで検索した時に,関連した広告を提供するもの。同社は2002年後半からDSLとVerizon Online製品のプロモーションを目的として広告キャンペーンにアドウエアを利用してきた。

 同社は,広告とマーケティング・キャンペーンにおいてスパイウエアは利用しないと主張している。スパイウエアは,ユーザーが気づかないうちに動的にプログラムをダウンロードして,ユーザーが訪問したサイトの追跡,個人情報の収集,コンピュータ設定の変更などを行なうもの。

 「アドウエアは,当社のマーケティング・プログラムにおいて成功を収めるための要素であることを証明してきた。しかし,現行のやり方では消費者に多くの問題を起こしており,インターネット・ユーザー,既存の顧客,見込み客にとってうっとうしいものになっている。Verizonは,顧客への接触方法が同社のプライバシ原則と一致することを望んでいる」(同社CPOのMargo Hammar氏)

 新しいガイドラインは,Verizon Wireless社,Verizon Informatio Services社を含むVerizon社系列会社で実装される。同ガイドラインの一部は次の通り。

・明確で分かりやすい通知の提示

・アドウエアのダウンロード・プロセスにおいて,ソフトウエアがダウンロードされる前にコンピュータ・ユーザーから同意を得なければならない

・ポップアップ広告の出どころを明確にする

・プログラムを削除するための容易なインストラクションを提供

 「Verizonは,顧客のプラバシの保護が最優先事項だと信じている。しかし,インターネット広告業界には,これらプログラムをよりコントロールして厳格な条件下で利用する適切な標準を作成する必要があると思われる」(同氏)

◎関連記事
「2004年の米国広告支出は7.8%増の1384億ドル,インターネット広告は12.1%増」,米社の予測
「パソコン1台に平均27.5個のスパイウエアが存在する」,米調査
MS,IEのパッチ未提供のぜい弱性を利用するアドウエアへの対策を計画
スパイウエアを巡って揺れる米国
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/ITPro/USURA/20040422/1/

発表資料へ