米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)は,米国でのインスタント・メッセージング(IM)利用に関する調査結果を米国時間11月10日に発表した。それによると,IM利用は前年と比べて19%増加しており,米国人の多くが電子メールよりも活用しているという。「職場やモバイル機器でのIM利用が主流となっている」(AOL社)
調査は,AOL社から委託を受けた米Opinion Researchが,2005年9月16~26日にかけて13才以上のインターネット・ユーザー4032人に対して聞き取りを実施したもの。
「電子メールよりもIMを多く利用している」と答えたユーザーは38%。特に13~21才の若者層では,その割合が66%に達し,前年と比べて49ポイントも上昇した。
その他の主な調査結果は以下の通り。
・13~17才の53%は,親がIM利用のガイドラインやルールを設けている。
・ユーザーの33%が,週に1回以上,携帯電話からIMやテキスト・メッセージを送受信している。この割合は2004年(19%)および2003年(10%)と比べて大きく増えている。
・職場でのIM利用目的は「同僚とのコミュニケーション」(58%),「回答取得や意思決定」(49%),「取引先や顧客との連絡」(28%),「デリケートな話題を直接するのを避けるため」(12%)などが挙がった。
・IMで最も実現して欲しい機能は「TVのライブ・ストリーミング」(26%)。「ミュージック・オン・デマンド」(25%),「ビデオ・オン・デマンド」(21%)がこれに続いた。
・IMサービスを利用した通話については,ユーザーの20%が「パソコン,有線電話,携帯電話に向けて,IMサービスから直接電話をかけている(またはかけたいと思っている)」としており,12%は「家庭用電話の代替手段となりうる,IMベースのVoIPサービスに興味がある」と答えている。
・IMを最も利用する都市のトップ10は,1位から順に,マイアミ,ニューヨーク,ボストン,シカゴ,アトランタ,ダラス,デトロイト,サンフランシスコ,サクラメント,タンパ。
「IMは生活の一部となっており,多くの人々が,携帯電話でのモバイル・メッセージの送受信からVoIP通話にいたるまで,あらゆるコミュニケーションの出発地点としてとらえている」(AOL社AIM and ICQ担当バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのChamath Palihapitiya氏)
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