米IDCが,企業向け世界インスタント・メッセージング(IM)市場に関する調査結果を米国時間10月5日に発表した。それによると,IMサーバー製品や関連セキュリティ/コンプライアンス/管理製品を含む市場は,2005年に前年比37%増の3億1500万ドル規模になるという。IDCは市場拡大が少なくとも2009年までは続き,2009年は7億3600万ドル規模と見込む。

 IDCコラボラティブ・コンピューティング調査担当プログラム・ディレクタのRobert P. Mahowald氏は,「全世界で2800万人以上の企業ユーザーが企業向けIM製品を利用しており,2005年における1日当たりのメッセージ件数は10億件近い」と述べる。「消費者向けIMネットワークを職場で使っている企業ユーザーの数はもっと多い。こうしたタイプのユーザーが主流になってきたのは明らかだ」(同氏)

 また同氏は「特にウォール・ストリート系企業,金融サービス業,政府期間などのコンプライアンスを重視する組織にとって,IMは重要な差別化手段」と指摘する。「IMはかつて10代の若者のおもちゃだったが,今後も成長を続け,数年で業務用の重要なコラボレーション手段になるだろう」(同氏)

 IDCは,企業向けIMサービス/製品を現在提供している大手ベンダーが,市場形成の役割を引き続き担うと予測する。代表例として,米Microsoft,米IBM,米Jabber,米America Online(AOL)を挙げる。

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