欧州委員会(EC)は,オンライン音楽サービスの著作権管理について,欧州連合(EU)の全加盟国で単一のライセンス規定を適用可能とする勧告を出した。ECがベルギーで現地時間10月12日に明らかにしたもの。

 EU地域におけるオンライン音楽ライセンスの改善を図るため,ECはEU加盟各国の著作権使用料徴収団体がそれぞれ独自に管理する案や,著作権所有者がEU全域の利用について管理団体を指定できる案などを検討してきた。

 著作権所有者や管理団体,ユーザーから寄せられた意見を参考にし,選択制ライセンスをすべてのEC加盟国に適用できる方式を勧告した。その理由について,ECは「オンライン・サービスの種類に応じ,それぞれ異なる条件を持つ,EU地域全体に適用可能なライセンスが必要になる」と説明する。「EU全域で通用する著作権ライセンスが存在しなかったことは,インターネット・オンライン音楽サービスの可能性を十分に引き出せない要因の1つだった」(EC)

 ECインターネット市場/サービス委員のCharlie McCreevy氏は「こうしたライセンスにより,欧州で新たなオンライン・サービスの立ち上げが容易になる」と述べる。

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