米Communication Technologies(COMTek)は,バージニア州マナッサスで電源線広帯域接続(BPL:Broadband over Power Line)の商用サービスを「米国で初めて」(COMTek社)開始した。同社が米国時間10月5日に明らかにしたもの。マナッサス市と提携し,同市全域をサービス地域とする。
同社によると,同地域には約1万2500世帯,2500社あり,人口は3万7000人という。「既に約700人がサービスを利用しており,500人が申し込んだ」(同社)
マナッサス市は,2004年7月に同社をBPLサービス・プロバイダとして採用した。BPLインフラ構築/運用のほか,電子メールやWebホスティングなどのインターネット・サービス・プロバイダ事業も委託している。マナッサス市は,BPLサービスによる収入から人件費や装置使用料などを除いた収益を受け取る。
このBPLインフラは,住民および企業へのサービスを提供する以外に,同市の交通信号機の制御や監視カメラ・システムの運用にも利用する。
同社は,ほかの9地域でも同様のBPSサービスを展開するため,関係当局と交渉を進めている。
米メディアの報道(TechWeb)によると,COMTek社がマナッサスで提供しているBPLサービスの対象面積は10平方マイル(約26平方km)で,月額料金は約29ドル。将来VoIPサービスの提供も計画しているという。
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