米IBMが,サーバー・アーキテクチャ「X3 Architecture」ベースの新型4ウエイ・サーバー「IBM eServer xSeries 260(x260)」を米国時間8月24日に発表した。価格は4599ドルから。米国で9月中旬に利用可能とする予定。

 eServer X3は,サーバー・アーキテクチャ「Enterprise X-Architecture」の第3世代に相当する。サーバー統合と企業向けアプリケーション動作の最適化を図ったほか,マシンやネットワーク,ストレージなどを仮想化する技術「Virtualization Engine」を導入した。

 x260は,高さ7Uのきょう体に,最大12台の3.5インチ型Serial Attached SCSI(SAS)対応ハード・ディスク装置(HDD)を内蔵できる。1台のHDDの最大容量は300Gバイトで,合計容量は3.6Tバイトになる。オプションのLTOテープ装置を利用すると,最大800Gバイトのデータをバックアップできる。タワー型きょう体も用意しており,標準の110V電源で運用できるのでオフィス環境にも適している。

 プロセサは,64ビット対応「Intel Xeon MP」(開発コード名は「Cranford」)。IBM社によると,x260はXeonプロセサ・ベースの4ウエイ・サーバー部門で,ベンチマーク・テストSPECintおよびSPECfpの新記録を出したという。動作周波数3.66GHzのXeon MPを4個搭載するx260の計測結果は以下の通り。

・SPECfp_rate2000:
 48.76を記録し,「HP ProLiant DL580 G3」に比べ36%,「Dell PowerEdge 6850」に比べ41%高速

・SPECint_rate2000:
 68.16を記録し,HP ProLiant DL580 G3に比べ18%,Dell PowerEdge 6850に比べ20%高速

 また同社は同日,64ビット対応デュアル・コア・プロセサ「Intel Pentium D」を搭載するワークステーション「IntelliStation M Pro 6218」を発表した。

 従来モデルの2倍に相当する8Gバイトのメモリーを内蔵できる。「大容量メモリーに64ビット・プロセサおよび64ビットOSを組み合わせることで,真の64ビット環境の性能を引き出せる。米Autodeskの『3ds Max』のようにプロセサの演算能力を必要とするアプリケーションの場合,処理性能が最大39%向上する」(同社)

 OSはMicrosoft Windows XP Professionalの64ビット版と32ビット版を導入済み。Red Hat Enterprise Linux 3.0の32ビット版および64ビット版の使用も可能。

 米国における価格は1479ドルから。世界各地で9月に利用可能とする。

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[発表資料(eServer xSeries 260)]
[発表資料(IntelliStation M Pro 6218)]